6月議会が終わりました。
今回の議会で教育センターの早期実現と、学校の耐震工事の前倒しを要求しました。
教育センターも、耐震工事も、平成25年度の完成を目指すということでした。
耐震工事についてはできる限り前倒しするという回答が得られた事は、成果だったのかなと思います。
今回の質問の中で、二人の女性議員が富士市の産科医療について質問されていました。
富士市は新規の産科の受信を打ち切り、他の婦人科への紹介を始めました。
慈恵医大が富士市の産科医の引き上げを決めてからこの間、未来ネットの議員団の主催するシンポジウムに参加したり、産科を守る署名運動に取り組んだり、共産党議員団の主催するシンポジウムに参加したり、何か自分にできることがないか考えていました。
未来ネットのシンポジウムでは、今回の医師の引き上げは、富士市民にとってどれだけ重要な問題かを思い知らされました。
医師に、労働に見合った賃金を支払わなければいけないこともわかりました。
特に、小児科や産婦人科ではリスクの高い医療が行われていることもわかりました。
訴訟が多く、医師が耐えきれずにやめたり、医師の資格を取っても小児科医や産婦人科医にはなり手が少なくなってしまったこともわかりました。(前稿参照)
共産党主催のシンポジウムでは、25年の中央病院歴を持つ山田医院長が、今後全国で、12万人から15万人の医師が不足する現状から富士市の医療を守るには、地域エゴ丸出しで取り組まなければならないと言っていました。
要するに、富士市の医者が増えれば、どこかの街で医者が減るということであり、良識のある人間の行動としてはまさに苦渋の選択をしなければならないということです。
医大や医学部のある都市では、まだ医師が従属していることもわかりました。
勤務医の50〜70%が転職を希望しているという事実もわかりました。
この日は、他の用事と重なっていて、医院長の話を最後まで聞くことはできませんでしたが、いろんな葛藤の中で、道を定めて頑張ってくれている姿が見て取れました。
では、今、自分にできることは何だろうかというと、いまいちはっきりとしませんでした。
始めの一歩は、署名運動でしたが、これには全市民が感心を示してくれたようで、1ヶ月あまりの間に12万人以上の署名が集まったそうです。
産婦人科を守ろうと声を上げるのは、良いことだし、大勢の人が関心を持っていることがわかったのも大きな成果だったと思います。
でも、それだけでよいのでしょうか。
なにかもっと市民としてできることはないんでしょうか?
そんなことを考えているときに、細野衆議院議員と話す機会がありました。
医師不足の問題に話題を持っていくと、医療制度(研修医制度)改定の事や、医局の事、様々話す中で、兵庫県、丹波市(たんばし)の話をしてくれました。
その日は、時間の関係もあり、話が途中で終わってしまったので、翌日電話で話したところ、新聞記事や、雑誌のコピーを送ってくれました。
それによると、丹波市には、県立柏原病院と、柏原赤十字病院に小児科があったが、ある日小児科医が1人になってしまい、ただでさえ毎月100時間以上の超過勤務で小児科医療を支えていた医師が、重労働に耐えきれず辞表を出してしまいました。
このことに危機感を持った1人のジャーナリストと母親たち10名が立ち上がり、医師との懇談や勉強会を重ね、医師の36時間や48時間勤務の実態を知ったりする中から、ちょっとのことで時間外に病院に行ったりするコンビニ受診をやめようと市民に呼びかけました。
署名活動を行ったところ、5万5千名の署名が集まったそうです。
この運動に勇気づけられた和久医師は辞表を撤回し、さらにこの活動に感銘を受けた小児科医2名が赴任してくれたということです。
もちろん、ただ病院に行かないのではなくて、勉強し、医師とも話し合い、フローチャートを作り、想定されるケースをつなぎ合わせ、緊急時には救急車を呼ぶ事も定義づけられました。
私たちが今、もっとも身近でできることは、こんな活動ではないかと思いました。
たしかに、病気に対する知識がうすいために、ちょっとのことですぐに病院に連れて行くのは、私自身、その通りでした。
病気に対する知識がもっとあって、緊急と緊急でない症状が見分けられれば、病院のあく時間を待っても大丈夫ではないのでしょうか。
私もこんな市民運動を展開してみたいと思い、Y先生を訪ねました。
Y先生はお忙しいのにも関わらず、快く迎えてくれました。
1人で懇談するのはもったいないと思い、仲間を誘ったところ、井出さんと佐野さんが参加してくれました。
懇談の内容を箇条書きにしてみます。
・やはり医師不足の一番の原因は、研修医制度が変わったことである。
研修医の派遣先は、卒業した医大が決定権を持てば医師が不足する病院は減るだろう。
・医師が訴訟を受けて有罪になると、刑事事件となり、個人が処罰の対象となってしまい、病院や自治体が医師を守れなくなる。
小野市の産科医療裁判では、有罪になってしまった医師が、身重の妻の眼前で手錠をかけられる場面があった。奥さんはおかしくなってしまったそうです。
イギリスの裁判制度を見習ったらどうか?(勉強してみます。)
・弁護士の採用人員を増やしたため、弁護士の1人あたりの収入が減っており、訴訟を増やすために、医療は絶好のターゲットになっている。
・一度も診察したことのない患者が突然外来にみえても、正確な判断ができない。
ケアの経緯を把握してもらい、正確な治療を受けるためにも、かかりつけ医を決めて、定期的に受診するのが一番良い方法である。
・現在の富士市の医療制度(一次医療を救急医療センターで受け、入院、手術等、さらに高度な医療が必要な場合に、中央病院に搬送する)は、大変高度なシステムで、全国的にも珍しいシステムである。
何時でも診察が受けられるという、せっかくあるこのシステムをもっと信頼して活用すべきである。
・市立病院は、市が医療費を負担し、市民が少しでも安く診察を受けられる仕組みになっているのだから、多少の赤字は覚悟しなければならない。
中央病院の運営が気になるのだったら、もっと市民が中央病院を使うことを心がけるべきだ。
中央病院を疲弊させないために、市民として何をすべきか考えるべきだ。
等々ですが、やはり医者の立場からの意見は大変参考になりました。
やはり市民にも、医療に対する知識を深める努力が必要であると痛感しました。
そして市民にも医療に対する言い分はあるでしょう。
医療を提供する側と受領する側に溝があるのかもしれません。
冷静に話し合う中で、少しでもその溝が埋まっていくような、そんな取り組みをしてみたいと思います。
私が、丹波市のような運動をしてみたいと言うとY先生は、いつでもどこでも病院に行く「コンビニ受信」の問題と、富士市には救急医療センターという素晴らしいシステムがあるのだから、その活用とセットで行ってみたら良いと思うとおっしゃっていました。
なんと終わったのは12:30を回っていました。